よくある無効事例とその回避法 | 自筆証書遺言のすべて | 遺言の手引き

よくある無効事例とその回避法

遺言書は形式を少しでも誤ると無効になる可能性がある非常に繊細な文書です。特に自筆証書遺言は自由度が高い反面、形式不備による無効例が多く報告されています。ここでは、実務で頻出する無効事例と、その予防策を整理して解説します。

1. 日付の不備

×「令和〇年〇月吉日」

× 日付の記載なし

日付が特定できない場合、その遺言がいつ作成されたかが判断できず、無効とされます。

回避法:「令和7年3月31日」など、年月日すべてを具体的に自筆で記載しましょう。

2. 署名や押印の欠落

× 氏名の記載がない

× 押印が漏れている

自筆証書遺言では、署名と押印の両方が法的に必須です。片方でも欠けていれば無効となるおそれがあります。

回避法:氏名は自筆で明記し、実印(または認印)で押印を忘れずに行いましょう。

3. 全文が自筆でない

× パソコンやワープロで作成された本文

× 他人の代筆による記載

本文が自筆でない場合、方式不備により遺言全体が無効となります。

回避法:遺言の「本文」は必ず本人が手書きで記載してください。財産目録だけはパソコン可(署名・押印が必要)です。

4. 誰に何を渡すかが不明確

×「長男に不動産を相続させる」→不動産の所在地が不明

×「妻に預金を全て」→金融機関名・口座が不明

受け取る人や財産が特定できないと、内容が不明確で無効またはトラブルのもとになります。

回避法:財産はできるだけ具体的に記載し、受け取る人も氏名や続柄を明記しましょう。

5. 遺言能力が疑われる状況での作成

× 認知症が進行していた時期の作成

× 高熱や薬の影響がある中での作成

判断能力が不十分とされれば、遺言能力を欠くとして無効とされる可能性があります。

回避法:作成時に医師の診断書を取る、または公正証書遺言で公証人に確認してもらうなど、第三者の関与を検討しましょう。

まとめ

遺言が無効になる原因の多くは、ほんの小さな形式の見落としや、曖昧な表現にあります。形式要件を正確に守り、内容を明確に記載することが、遺言の効力を確保し、家族に安心を遺すための第一歩です。

訂正方法についても厳格に定められています。心配な場合は、専門家の確認を受けることも有効な対策です。

【注意事項】
本記事は、法律に関する一般的な情報を提供するものであり、個別具体的な案件についての助言を行うものではありません。特定の事案や状況に応じた判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

また、正確性を期すよう努めておりますが、本記事の内容についての完全な正確性や最新性を保証するものではなく、本記事の利用により生じたいかなる損害についても当方は一切の責任を負いかねます。

法令や規制は頻繁に変更される可能性がありますので、必要に応じて最新の情報をご確認いただくことをお勧めいたします。
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