遺言の法的効力とは
遺言には、民法に基づく法的効力が認められており、一定の要件を満たして作成された遺言書は、遺言者の死亡後にその意思が尊重され、法律上の効果を生じます。遺言は、単なる希望や意見ではなく、相続や財産処分に直接影響を与える法的な文書となるのです。
主な法的効力の例
- 相続分の指定:法定相続分と異なる割合で相続させることが可能
- 遺贈:法定相続人以外の第三者に財産を与えることができる
- 遺言執行者の指定:遺言内容の実現を任せる人物を定める
- 認知:非嫡出子を法律上の子として認める効力
- 相続人の廃除や取消し:特定の相続人の権利を奪うことが可能(法的要件あり)
これらの効力はすべて、遺言が法律で定められた方式(例:自筆証書、公正証書など)に則って作成されていることが前提です。不備がある場合には、効力を認められない恐れがあります。
遺言と法定相続の関係
原則として、相続は民法の定める「法定相続」によって行われますが、有効な遺言がある場合は、遺言の内容が優先されます。つまり、遺言は法定相続に対して「上書き」ができる特別な効力を持つのです。
ただし、遺言によって相続人の「遺留分」を侵害する内容となっている場合、遺留分侵害額請求を通じて一定の補償が求められることもあります。この点については、後述の「遺留分と遺言の限界」で詳しく解説します。
遺言が効力を持つタイミング
遺言の効力が発生するのは、遺言者の死亡時です。生前に効力が生じることはなく、また、遺言者が生きている間は自由に撤回・変更が可能です。そのため、遺言は「最終的な意思表示」でありながら、あくまで「死後に効力を持つ」ものとして理解する必要があります。