公正証書遺言の作成方法
公正証書遺言とは、公証人が遺言者の口述をもとに内容を筆記・作成し、公証役場で公正証書として仕上げる遺言方式です。法律の専門家である公証人が関与するため、安全性・有効性・信頼性が高いのが最大の特徴です。以下では、作成までの手順を順を追って解説します。
1. 事前準備(構想と文案の作成)
- 遺言に盛り込みたい内容を整理する(財産の内容、相続・遺贈の相手など)
- 相続人の構成や、法定相続分との関係性を確認
- 必要であれば専門家(行政書士・司法書士など)に文案作成の支援を依頼(公証人が文案作成の手助けをするわけではありません)
2. 公証役場への相談・予約
作成を希望する公証役場に連絡し、事前相談と作成日の予約を行います。予約は電話または公証役場の窓口で行うのが一般的です。あらかじめ文案(たたき台)を提出し、公証人と内容の確認・調整を行います。
3. 必要書類の準備
以下のような書類が必要となります:
- 遺言者の印鑑登録証明書
- 遺言者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 戸籍謄本(相続人の確認用)
- 登記簿謄本
- 固定資産税納税通知書・履歴事項全部証明書(不動産がある場合)
通知書を紛失している等の場合は固定資産課税台帳を取得する - 金融資産資料(通帳)
- 受遺者の住民票(相続人以外に財産を遺贈する場合)
- 遺言内容の下書き(メモ、Word文書などでも可)
4. 証人の手配
公正証書遺言の作成には、証人が2人以上必要です。証人は中立性が求められ、相続人や受遺者、その配偶者や直系血族などはなれません(民法974条)。
証人を自分で確保できない場合は、公証役場や専門家に依頼することも可能です(有料)。
5. 作成当日の流れ
- 公証役場にて、遺言者が口頭で述べ、公証人がその内容を確認・筆記します。
- 作成された遺言書の内容を公証人が読み上げ、遺言者・証人が確認します。
- 遺言者・証人・公証人がそれぞれ署名・押印し、公正証書遺言が完成します。
なお、遺言者が高齢や病気で公証役場に出向けない場合には、病院や自宅への出張対応(出張費用あり)も可能です。
6. 作成後の保管と扱い
- 作成された遺言書の原本は公証役場で厳重に保管されます。
- 遺言者本人には正本と謄本が交付されます。
- 家庭裁判所の検認は不要で、死後すぐに相続手続きに使用できます。
まとめ
公正証書遺言は、確実に遺言を実現したい方、遺言内容を争われたくない方にとって最も安心できる方式です。必要な手続きや費用はありますが、形式的なミスの心配がなく、法的な安全性が非常に高い点が最大のメリットです。早めに準備を始め、公証人や専門家と連携しながら進めましょう。