公正証書で作成することの意義
信託契約の作成方法には2つある
家族信託の契約書は、法律上は「私署証書(自分で作る契約書)」でも有効です。
しかし実務上は、「公正証書(公証人が作成する契約書)」で作ることが強く推奨されます。
公正証書で作成する主なメリット
- 契約内容の確実性・信頼性が高まる
公正証書は法律の専門家である公証人が関与して作成するため、
内容の不備・無効リスクが大幅に減ります。 - 意思能力の証明になる
信託契約では委託者が契約時に意思能力を有していることが重要です。
公証人による確認があれば、後から「認知症だった」と主張されるリスクを下げられます。 - 公文書としての証拠力がある
公正証書は公文書としての効力があり、
将来トラブルになった場合の証拠として非常に強力です。 - 銀行や法務局での手続きがスムーズ
信託口口座の開設や不動産の信託登記において、
公正証書が求められる、または好まれるケースが多くあります。
私署証書で作る場合の注意点
信託契約書を自分たちで作る(私署証書)場合でも、契約自体は成立します。
ただし、
- 契約書の不備や誤記載によって信託自体が無効になるおそれがある
- 委託者の意思能力を後から証明するのが難しい
- 金融機関が信託口口座の開設に応じない場合がある
- 不動産の信託登記で法務局から補足資料を求められることがある
このようなリスクを避けるため、法的な確実性と将来の運用のしやすさを優先するなら、公正証書での作成が望ましいといえます。
公正証書の作成にかかる費用
信託契約書を公正証書にする場合、財産の評価額に応じて次のような手数料がかかります。
- 信託財産の価額が1,000万円の場合:約2~3万円程度
- それ以外に、正本・謄本作成費用や送達費用が追加されることがあります
正確な金額は、事前に公証役場へ見積もりを依頼することができます。
まとめ
- 家族信託契約は私署証書でも作成可能だが、将来の安心を考えるなら公正証書がおすすめ
- 法的効力・証明力・手続き面の実用性が大きなメリット
- 費用はかかるが、信託の実効性と安全性を担保する意味で非常に意義が大きい
信託契約は将来にわたって家族を支える仕組みです。
その土台となる契約書は、確実で信頼性の高い形で残すことが重要です。