民法第778条の4は、相続の開始後に新たに子と推定された者が相続人として権利を行使する際の特別な規定を定めています。この条文は、すでに遺産分割が行われた場合に、新たに権利を認められた相続人の請求方法を「価額の支払」に限定することで、相続関係の安定を図る内容となっています。以下に条文の内容とその意義について詳しく解説します。
民法778条の4 新たに子と推定された者の価額支払請求権
第778条の4
相続の開始後、第774条の規定により否認権が行使され、第772条第4項の規定により読み替えられた同条第3項の規定により新たに被相続人がその父と定められた者が相続人として遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときは、当該相続人の遺産分割の請求は、価額のみによる支払の請求により行うものとする。
- 第774条:嫡出否認の基本規定です。父、母、または子が嫡出性を否認できる権利について定めています。未成年の子の場合、親権者や未成年後見人が代行します。
- 第772条:嫡出推定に関する規定です。婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定されますが、特定の条件下で読み替えられる場合があります。
遺産分割請求が価額に限定される理由
民法第778条の4では、新たに子と推定された相続人が遺産分割を請求する場合、価額による支払請求に限定されることが規定されています。この理由は次の通りです。
- 既存の相続人が既に遺産分割や処分を行っている場合に、それを覆すことで混乱や不公平が生じるのを防ぐため。
- 新たに権利を認められた者に対して適切な救済を与えつつ、他の相続人や関係者の利益との調和を図るため。
この規定は、相続関係の安定性を重視しつつ、新たに権利を認められた相続人の利益を保護するためのものです。
条文の意義
民法第778条の4は、新たに相続人と推定された者が価額による支払請求を行えるようにすることで、相続関係の安定を図りながら、当該相続人の権利を適切に保護するために設けられた規定です。この規定により、既存の遺産分割の安定性と、新たな相続人の救済という二つの目的を両立させる仕組みが提供されています。
注意点
- 価額の支払請求に限定:新たな相続人は遺産そのものの分割を請求することはできません。
- 既存の分割への影響:既に行われた遺産分割や処分に影響を与えない形で権利が行使されます。
- 救済の適用範囲:この規定は新たに相続人として認められた者に限られます。
民法778条の4に関するFAQ
- Q: 新たに相続人として認められた場合、どのように遺産分割を請求できますか?
- A: 他の相続人が既に遺産分割を行っている場合、価額による支払請求を行う形になります。
- Q: この規定はどのような場面で適用されますか?
- A: 相続の開始後に新たに子と推定され、相続人として権利を認められた場合に適用されます。
- Q: 他の相続人が遺産分割を行っていない場合はどうなりますか?
- A: その場合は通常の遺産分割の請求を行うことができます。