民法778条 嫡出否認の特別な出訴期間をわかりやすく解説

民法第778条は、第772条第3項の規定により父が定められた子に関して、嫡出否認の訴えを行うための特別な出訴期間について定めています。この規定は、通常の出訴期間とは異なる条件で1年以内の訴えを要求するものであり、親子関係の早期確定を目指すものです。以下に詳しく解説します。

民法778条 嫡出否認の特別な出訴期間

第778条
第772条第3項の規定により父が定められた子について第774条の規定により嫡出であることが否認されたときは、次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める時から1年以内に提起しなければならない。
一 第772条第4項の規定により読み替えられた同条第3項の規定により新たに子の父と定められた者の否認権 新たに子の父と定められた者が当該子に係る嫡出否認の裁判が確定したことを知った時
二 子の否認権 子が前号の裁判が確定したことを知った時
三 母の否認権 母が第1号の裁判が確定したことを知った時
四 前夫の否認権 前夫が第1号の裁判が確定したことを知った時

第772条
第3項 第1項の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に2以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。

第774条
第1項 第772条の規定により子の父が定められる場合において、父又は子は、子が嫡出であることを否認することができる。
第2項 前項の規定による子の否認権は、親権を行う母、親権を行う養親又は未成年後見人が、子のために行使することができる。
第3項 第1項に規定する場合において、母は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
第4項 第772条第3項の規定により子の父が定められる場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に母と婚姻していた者であって、子の父以外のもの(以下「前夫」という。)は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
第5項 前項の規定による否認権を行使し、第772条第4項の規定により読み替えられた同条第3項の規定により新たに子の父と定められた者は、第1項の規定にかかわらず、子が自らの嫡出であることを否認することができない。

特別な出訴期間の意義

第778条では、通常の嫡出否認の訴えの出訴期間(第777条で規定される3年間)に代わり、1年以内に訴えを提起しなければならない特別な期間を設けています。この規定は、裁判によって子の父が定められ、その後の否認権の行使が必要となった場合に適用されます。

各否認権と起算点

  • 第1号:新たに父と定められた者の否認権
    新たに父と定められた者が、子に関する嫡出否認の裁判が確定したことを知った時から1年以内。
  • 第2号:子の否認権
    子が、前号の裁判が確定したことを知った時から1年以内。
  • 第3号:母の否認権
    母が第1号の裁判が確定したことを知った時から1年以内。
  • 第4号:前夫の否認権
    前夫が第1号の裁判が確定したことを知った時から1年以内。

通常の出訴期間との違い

第777条では通常、否認権の行使に3年の出訴期間が認められていますが、第778条では特定の状況において1年という短い期間が適用されます。この違いは、親子関係に関する法律的な不安定状態を早期に解消するための措置といえます。

1年以内に提起しない場合の影響

1年以内に訴えを提起しなかった場合、否認権を行使することはできなくなります。その結果、子の嫡出性は法的に確定し、親子関係が否定されることはなくなります。

民法778条についての質問

Q: 出訴期間の1年は延長できますか?
A: 原則として延長は認められません。裁判が確定した時点を正確に把握し、速やかに訴えを提起する必要があります。
Q: 子が裁判の確定を知らなかった場合はどうなりますか?
A: 子が裁判の確定を知るまで出訴期間は開始しません。ただし、知った時から1年以内に訴えを提起する必要があります。
Q: 第778条が適用されるケースはどのような場合ですか?
A: 第772条第3項に基づいて父が定められた子について、その嫡出性が第774条の規定で否認された場合に適用されます。
Q: 裁判確定後、他の否認権者が訴えを提起した場合の影響は?
A: 他の否認権者が訴えを提起している場合でも、各否認権者ごとに1年の出訴期間が独立して適用されます。
【注意事項】
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民法 親族
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