家族・親族以外の身元保証人候補
入院や施設入所の際に必要とされる身元保証人を、家族や親族に頼ることができない方は少なくありません。近年では、こうした方々に対応するために、家族以外の第三者や専門機関を保証人として活用する動きが広がっています。
信頼できる友人・知人
長年の付き合いがある友人や、仕事・地域で信頼関係を築いてきた知人などが、保証人として協力してくれることがあります。特に、高齢者同士で互いに保証人になるケースや、地域で支え合うネットワークの中で引き受け合う例も見られます。
ただし、保証内容によっては金銭的・精神的な負担が生じる可能性があるため、責任の範囲や契約内容を丁寧に説明し、無理のない形で協力を依頼することが重要です。
成年後見人(法定・任意)
判断能力に不安がある場合、家庭裁判所に申立てを行い、成年後見人を選任することで、財産管理や医療・介護の手続きなどを支援してもらうことができます。
成年後見人は法律上の代理人として行動しますが、必ずしも「身元保証人」そのものとしての役割を担うわけではないため、契約上の保証が必要な場合は別途対応を考える必要があります。
専門職(行政書士・司法書士・社会福祉士など)
法律や福祉の専門家が、契約に基づいて身元保証や死後事務、財産管理の支援を引き受けるケースも増えています。
特に、「身寄りがなく、今後の生活支援を計画的に整えたい」と考える方にとって、専門職との契約は安心感のある選択肢となります。
民間の身元保証事業者
近年では、高齢者や単身者向けに特化した「身元保証サービス」を提供する民間事業者が増えています。契約に基づき、入院や入所時の保証、日常生活の支援、死後の手続きなどを一括して担ってくれるサービスもあり、家族に代わる存在として注目されています。
利用には費用がかかりますが、責任の範囲が明確で、トラブルを避けやすい仕組みが整備されている点が特徴です。
家族以外の保証人候補を考える際は、「誰が」「何を」「どこまで」担うのかを整理したうえで、無理のない形で協力を得ることが大切です。次項では、それぞれの依頼先と結ぶ契約の具体的な方法について解説していきます。