死亡後の連絡先リスト・パスワード管理の重要性 | 準備しておくと安心なこと | 身近な人が亡くなったら

死亡後の連絡先リスト・パスワード管理の重要性

ご自身に万が一のことがあった際、遺されたご家族が困らないようにしておくためには、「連絡先リスト」や「パスワードの管理方法」を事前に準備しておくことが非常に大切です。これらが整っていないと、相続手続きや各種解約などに大きな手間がかかるだけでなく、大切な人への連絡が漏れてしまう可能性もあります。

死亡後に連絡すべき相手を整理しておく

葬儀や死亡後の各種手続きにおいて、「誰に連絡すべきか」がすぐに分からないと、遺族にとって大きな負担になります。生前に以下のような「連絡先リスト」を作成しておくと安心です。

分類 連絡先の例 備考
親族・親しい友人 名前・住所・電話番号 葬儀・法要の案内に必要
勤務先・元職場 会社名・部署・上司の連絡先など 退職・保険・共済の手続き
契約関係 不動産管理会社、賃貸オーナー、介護施設など 解約・清算などに必要
金融機関・士業 取引銀行、証券会社、顧問税理士など 財産確認・手続きの窓口

一覧表を紙で保管する場合は、場所を家族に伝えておくことが大切です。デジタル管理する場合も、アクセス方法を信頼できる家族に知らせておきましょう。

パスワード・ログイン情報の管理

現代においては、多くの情報や資産がインターネット上に存在しています。以下のような情報にアクセスできなければ、遺族が重要な手続きを行うことができなくなる恐れがあります。

  • インターネットバンキング
  • 証券・仮想通貨の取引所
  • スマートフォンのロック解除コード
  • クラウドストレージ(Google Drive、iCloudなど)
  • サブスクリプションや会員サービスのID・パスワード

これらの情報は、次のような方法で管理しておくと安全かつ実用的です:

  • 信頼できる家族に伝えておく
  • 紙の「パスワード管理ノート」を作成し、金庫などに保管
  • パスワード管理アプリを使い、「マスターパスワード」の所在だけを家族に共有

特に仮想通貨など、秘密鍵を失うと取り戻せない資産については、生前の情報共有が極めて重要です。ログイン情報や本人認証がないことで、資産が凍結され、永遠にアクセスできなくなるケースも多く発生しています。

安全な場所に保管しておきたい場合には、公正証書遺言の一部として残す方法や、貸金庫を利用する方法が有効です。

エンディングノートの活用

こうした情報を一元的にまとめておける方法として、エンディングノートの活用がおすすめです。市販のノートや自作の様式を使って、自分の希望や大切な情報を家族に残すことができます。法的効力はありませんが、遺族への強いメッセージとして役立ちます。

まとめ

突然の出来事に備えて、「何を残すか」ではなく「どう残すか」を考えておくことが、残された家族への何よりの思いやりです。連絡先やパスワードといった情報もまた、相続と同じく「引き継ぐべきもの」として意識しておくことが大切です。

【注意事項】
本記事は、法律に関する一般的な情報を提供するものであり、個別具体的な案件についての助言を行うものではありません。特定の事案や状況に応じた判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

また、正確性を期すよう努めておりますが、本記事の内容についての完全な正確性や最新性を保証するものではなく、本記事の利用により生じたいかなる損害についても当方は一切の責任を負いかねます。

法令や規制は頻繁に変更される可能性がありますので、必要に応じて最新の情報をご確認いただくことをお勧めいたします。
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