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有価証券・仮想通貨・デジタル資産の扱い

近年では、預貯金や不動産だけでなく、株式や投資信託、仮想通貨(暗号資産)、電子マネー、ポイントなどのデジタル資産も相続財産として扱われます。これらは財産的価値を有するため、他の資産と同様に、適切に調査・評価・分割・名義変更等の手続きが必要となります。

有価証券(株式・投資信託など)

故人が証券会社の口座で株式や投資信託を保有していた場合、相続人自身の証券口座に株式等を移す必要があります。

一般的な手続きの流れは以下のとおりです:

  1. 証券会社に死亡の届出を行う
  2. 相続手続きの申請書類を取り寄せる
  3. 必要書類(戸籍、遺産分割協議書または遺言書、印鑑証明書など)を提出
  4. 相続人ごとの証券口座まに移す

証券会社によって手続きや必要書類が異なるため、必ず個別に確認することが大切です。また、相続税評価額の計算が必要になりますので、税理士との連携も重要です。

どこの証券会社かわからない場合や、株式等の所有が不明で確認をしたい場合は証券保管振替機構に登録済み加入者情報の開示請求を行います。

仮想通貨(暗号資産)

ビットコインなどの仮想通貨も、相続の対象となります。仮想通貨の相続はまだ制度的な整備が発展途上であり、特有の注意点があります。

仮想通貨相続のポイント:

  • 相続人がウォレットの情報(秘密鍵やパスフレーズ)を把握していないと、引き出しや移転が不可能
  • 取引所に口座がある場合は、その取引所に連絡して相続手続きを行う
  • 故人の所有を確認するため、パソコンやスマートフォンのデータ調査が必要になることがある
  • 相続税の申告においては、相続開始日時の時価で評価される

仮想通貨は誰にも引き継げないまま失われてしまうリスクも高いため、生前に相続の準備をしておくことが重要です。

デジタル資産(電子マネー・ポイント・会員アカウントなど)

最近では、次のようなデジタル資産も相続対象となるケースが増えています:

  • 電子マネー(PayPay、楽天キャッシュ、Suicaなど)
  • ポイント(楽天ポイント、Tポイントなど)
  • オンラインバンクや決済サービスの残高
  • アプリ内通貨・ゲーム内アイテム
  • サブスクリプション契約やクラウドストレージ

これらの資産はサービス提供会社によって扱いが異なり、相続可能なものと不可能なものがあります。 利用規約上、「死亡時に消滅」とされているケースも少なくありません。以下に一般的な対応をまとめます。

資産の種類 相続の可否 備考
楽天ポイント 会員の死亡時に自動消滅(規約による)
PayPay残高 問い合わせにより手続き可能な場合あり
Suica残高 払戻し手続きにより対応可能
オンライン銀行口座 通常の預貯金と同様に扱われる

これらのデジタル資産は、「見落とされやすいが相続人間のトラブルになりやすい」領域でもあります。故人のスマートフォン・パソコンのパスワードやID、ログイン情報の管理が重要です。

必ず各社サイトなどで確認をしてください。

まとめ

株式や仮想通貨、電子マネーといった現代的な資産も、すべてが相続財産として扱われます。これらの資産は、見つけにくく、名義変更が難しいものも多いため、早めの情報整理や専門家への相談が重要です。

【注意事項】
本記事は、法律に関する一般的な情報を提供するものであり、個別具体的な案件についての助言を行うものではありません。特定の事案や状況に応じた判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

また、正確性を期すよう努めておりますが、本記事の内容についての完全な正確性や最新性を保証するものではなく、本記事の利用により生じたいかなる損害についても当方は一切の責任を負いかねます。

法令や規制は頻繁に変更される可能性がありますので、必要に応じて最新の情報をご確認いただくことをお勧めいたします。
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