葬儀形式の種類と準備の流れ
主な葬儀の形式
現在の日本では、故人や遺族の考え方、宗教・宗派、費用や社会的事情に応じて、さまざまな葬儀の形式が選ばれています。代表的な形式を以下に示します。
| 形式 | 概要 | 特徴・適しているケース |
|---|---|---|
| 一般葬 | 親族・友人・知人・会社関係者など広範囲に通知し、通夜・葬儀を行う | 参列者が多い場合や、社会的つながりのある方に適する。儀礼的・宗教的要素が強い |
| 家族葬 | 親族やごく親しい人だけで行う小規模な葬儀 | 静かに見送りたい、費用を抑えたい場合に適する。事後報告の形をとることも多い |
| 一日葬 | 通夜を行わず、葬儀・告別式を1日で行う | 高齢者や遠方の親族に配慮し、身体的・時間的な負担を軽減したい場合に適する |
| 直葬 | 式を行わず、火葬のみを行う | 宗教儀式を省略し、最も簡素で費用も抑えられる。本人の遺志で選ばれることもある |
葬儀準備の基本的な流れ
どの葬儀形式を選んでも、準備にはある程度共通の流れがあります。以下は、一般的な葬儀の準備ステップです。
- 葬儀社の手配：亡くなった直後に葬儀社を手配し、搬送と安置の段取りを行います。
- 葬儀形式・日程の決定：遺族・宗教者・葬儀社と相談し、式の形式・規模・日取りを決定します。
- 火葬許可証の取得：死亡届を役所に提出し、火葬許可証を受け取ります（葬儀社が代行することが多いです）。
- 会場の手配：自宅・寺院・会館など、葬儀を行う場所を決めて予約します。
- 僧侶・宗教者の依頼：菩提寺や所属宗教の関係者に連絡を取り、読経・式進行を依頼します。
- 参列者への連絡：親族・関係者へ日程と場所を連絡します。家族葬の場合は連絡範囲を限定します。
- 遺影や副葬品の準備：遺影写真、故人の愛用品や飾り物を用意します。
- 香典返し・会葬礼状の手配：参列者数を見込んで、返礼品や礼状の準備を進めます。
形式に応じたポイント
選ぶ形式により、以下の点が異なるため、葬儀社とよく相談して進めましょう。
- 参列者の人数（会場の規模や食事手配に影響）
- 宗教儀式の有無と流れ（読経、焼香、献花など）
- 会葬御礼・香典返しの有無や方法
- 訃報の出し方（事前通知か、葬儀後の報告か）
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社との打ち合わせでは、見積もり、オプションサービス、手続き代行の範囲などを確認しましょう。
不安な点は遠慮せず相談し、納得したうえで進めることが大切です。
故人の遺志やご家族の希望を尊重しつつ、無理のない形で準備を整えることが、心のこもったお見送りにつながります。