親族・知人・職場への連絡と対応
訃報の連絡は早めに行う
ご家族が亡くなられた際、まず最初に行うべきことのひとつが、親族や関係者への訃報の連絡です。
通夜や葬儀の日程を決めるためにも、早めに親しい方々へ連絡し、意向を確認することが大切です。
連絡の優先順位と範囲
すべての関係者に一斉に連絡する必要はありません。まずは以下のような方を優先して連絡しましょう。
- 近親者(兄弟姉妹、子、孫、配偶者の家族など)
- 喪主予定者(配偶者、長男など)
- 世話役・手伝いをお願いする人
- 葬儀に参列をお願いしたい親しい友人や知人
故人の交友関係が広かった場合や、関係者が高齢・遠方に住んでいる場合は、誰が誰に連絡するかを分担するとスムーズです。
連絡の手段と内容
訃報の連絡は、原則として電話で行うのが基本です。急な知らせになるため、直接声で伝えることが礼儀とされています。
SNSやメール、メッセージアプリ(LINEなど)を使う場合は、相手との関係性や状況を考慮して使い分けましょう。
通話時には以下のようなポイントを簡潔に伝えるとよいでしょう。
- 故人の氏名
- 亡くなった日時
- 通夜・葬儀の日程と場所(未定の場合はその旨)
- 喪主の氏名
- 参列をお願いするかどうか(家族葬等の場合)
訃報を電話で伝える際は、慌ただしい中でも冷静に、必要な情報を簡潔に伝えることが大切です。以下は一例です。
お忙しいところ失礼いたします。私、葬儀太郎の長男、葬儀一郎と申します。
突然のご連絡となり恐縮ですが、父・葬儀太郎が4月10日に永眠いたしました。享年◯歳でした。
通夜は○月○日○時より、葬儀・告別式は○月○日○時より、〇〇斎場にて執り行う予定です。
ご多忙中とは存じますが、ご都合がよろしければお越しいただけますと幸いです。
詳細は追ってご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
※日程が未定の場合は、その旨を伝えましょう。たとえば:
なお、通夜および葬儀の日程は現在調整中で、決まり次第改めてご連絡いたします。
また、家族葬などで参列をご遠慮いただく場合は、以下のように伝えることもあります。
なお、故人の遺志により、葬儀は近親者のみで執り行う予定です。
ご報告のみとなり恐縮ですが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。
声のトーンを落ち着かせ、ゆっくりと丁寧に話すことを心がけましょう。
相手が高齢であったり聞き取りにくい環境にいることもあるため、名前や日時は繰り返すとより親切です。
職場への連絡と対応
故人が働いていた場合、または喪主や遺族が仕事をしている場合、職場への報告と調整も重要です。
故人の勤務先への連絡
故人が在職中であった場合は、できるだけ早く勤務先に訃報を伝えましょう。会社としての対応(弔電、供花、代表者の参列など)が必要になるためです。
会社への連絡は、ご遺族または親しい同僚から行うのが一般的です。
遺族の勤務先への連絡
喪主や配偶者、子などが葬儀準備で会社を休む場合は、上司または総務部門に早めに連絡し、忌引き休暇などの手続きを行いましょう。
会社によっては必要書類(死亡届や会葬礼状の写しなど)を求められることがあります。
訃報を控える場合の配慮
家族葬や密葬など、限られた人のみで葬儀を行う場合は、その旨を明確に伝えることが大切です。
「故人の遺志により、近親者のみで執り行います」などと伝えることで、不要な混乱を防ぐことができます。
また、後日改めて「お別れの会」や「偲ぶ会」を開く予定がある場合は、その旨を伝えておくと丁寧な印象になります。