日本国憲法第58条 議院の自律性と議長選出 | 条文とその解説

日本国憲法第58条は、各議院の自律性や内部規律、議長や副議長の選出、懲罰の権限について規定しています。この条文は、議院が独立して運営されるための基本原則を定め、国会の民主的運営を支える重要な役割を果たします。本記事では、第58条の条文を基に、その意義や具体的な内容について解説します。

日本国憲法第58条

第58条
第1項: 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
第2項: 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

第1項: 議長・副議長の選出

第58条第1項では、各議院が自らの議長や副議長を選出する権限を持つことを規定しています。この制度により、議院が自主的に運営される仕組みが確立されています。

  • 議長の役割: 議会を代表し、会議の進行や秩序維持を担当します。
  • 選出方法: 各議院で議員の投票により選任されます。

第2項: 議院規則の制定と懲罰権

第58条第2項では、各議院が自主的に会議の手続や内部規律を定め、議員の懲罰を行う権限を持つことを定めています。これにより、議会運営の独立性が保障されます。

  • 規則の制定: 議院が会議の手続や秩序維持のための規則を独自に定めます。
  • 懲罰権: 議員の品位を欠く行為や規律違反に対して、停職や除名などの懲罰を行うことができます。

議員除名の条件

議員を除名する場合には、厳格な要件が定められています。これは、議員の地位を慎重に扱い、不当な除名を防ぐための仕組みです。

  • 3分の2以上の多数決: 除名には、出席議員の3分の2以上の賛成が必要です。
  • 慎重な判断: 除名は最も重い懲罰であり、十分な審議を経た上で行われます。

第58条の意義

日本国憲法第58条は、各議院が自主的に運営されるための基本原則を示しています。この条文により、議会が外部からの干渉を受けることなく、独立して議事を進めることが可能となり、民主的な議会運営が確保されています。

国会の日数と議席のまとめ

日数
54条 解散の日から総選挙までの日数 40日以内
54条 解散総選挙の日から特別国会を召集するまでの日数 30日以内
54条 緊急集会の措置の衆議院同意の期限 10日以内
60条 参議院が法律案を議決しないことで否決とみなされる日数 60日以内
60条 参議院が予算案を議決しないことで衆議院の議決となる日数 30日以内
61条 参議院が条約を承認しないことで衆議院の結果となる日数 30日以内
67条 参議院が総理大臣の指名をしないことで衆議院の議決となる日数 10日以内
67条 内閣不信任決議から解散までの日数 10日以内
議席
53条 臨時会の招集  いずれか議院の総議員 4分の1
55条 議院の資格争訟の裁判 出席 3分の2
56条 議事を開く 総議員 3分の1
57条 秘密会にする 出席 3分の2
57条 秘密会における評決の会議録への記載 出席 5分の1
58条 議院の除名 出席 3分の2 
59条 法律案の衆議院での再可決 出席 3分の2
96条 憲法改正の発議 総議員 3分の2

日本国憲法第58条についての質問

Q: 議長はどのように選出されますか?
A: 各議院で議員の投票により選出されます。
Q: 議院規則はどのように定められますか?
A: 各議院が自主的に制定し、議会運営や秩序維持に使用されます。
Q: 議員が懲罰を受ける理由は何ですか?
A: 議員としての品位を欠く行為や規律違反があった場合に懲罰が科されます。
Q: 除名にはどのような手続きが必要ですか?
A: 出席議員の3分の2以上の賛成が必要で、慎重な審議を経た上で決定されます。
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