相続・遺言・後見の有無と方針
財産や身の回りの整理が進んできたら、次に大切なのが、「相続」や「遺言」、「成年後見」に関する考え方や方針を記しておくことです。
エンディングノートに法的効力はありませんが、自分の意思を明確に伝えることで、遺された家族が迷わず行動できるようになり、相続トラブルの予防にもつながります。
相続に関する基本情報の整理
自分の財産が誰にどれだけ引き継がれるのかは、法律上ある程度決まっていますが、家族構成や状況によっては、話し合いや判断が必要なケースも少なくありません。
- 法定相続人の確認
・配偶者、子、親、兄弟姉妹などの続柄と連絡先
・疎遠な親族や特別に配慮したい人がいれば、その関係性 - 相続財産の一覧
・預貯金、不動産、有価証券、保険、借入金など
・一覧を別ページでまとめておき、ここには「記載済み」とだけ書いてもよい - 特別な希望がある場合
・特定の人に多く遺したい
・寄付を希望している団体がある
・家業や不動産の承継方針がある など
こうした希望がある場合は、エンディングノートだけでなく、遺言書の作成も強く検討すべき内容になります。
遺言書の有無と作成状況
遺言書には法的効力があり、相続の場面で重要な役割を果たします。
エンディングノートには、次のような情報を記しておくとよいでしょう。
- 遺言書の有無(ある/ない/これから作成予定)
- 遺言書の種類(自筆証書遺言、公正証書遺言など)
- 保管場所(自宅の引き出し、法務局、公証役場など)
- 遺言執行者を指定している場合は、その氏名と連絡先
遺言書がまだない場合は、「遺言書の作成を検討している」「○○についてはきちんと遺したいと思っている」といった、今の考えを書いておくだけでも意義があります。
成年後見制度への考え
判断能力が低下したとき、自分の代わりに契約や財産管理を行ってくれる「成年後見制度」についての希望も、エンディングノートに記しておくと安心です。
- 後見制度の利用希望(利用したい/まだ迷っている)
- 信頼している人がいれば、その名前と理由
- すでに任意後見契約を結んでいる場合は、その内容と保管場所
自分の意思が伝えられない状況になっても、日常生活や財産管理が安心して行えるように備えることは、家族への大きな支えになります。
まとめ:法律だけでは伝えきれない「思い」を記す
相続や後見に関する情報は、法律的な手続きと直結する部分ですが、「自分の思い」を家族に伝えることも、同じくらい重要です。
エンディングノートに書かれたあなたの考えや希望は、遺された人が迷わず、心穏やかに判断をするための手がかりになります。
すべてを完璧に書こうとしなくても構いません。
今の自分の気持ちを正直に、やさしい言葉で残すことから始めてみましょう。